出水市役所
出水市議会は18日の定例会で、鹿児島県の米之津川の漁業権を持つ広瀬川漁業協同組合に対する「総合調整権」を市長が行使できる議案を上程し、可決した。肥薩おれんじ鉄道の鉄橋工事を巡り、漁業権とは無関係の批判を繰り返した行為への是正勧告や、不当・不誠実な行為を繰り返す理事の解任など組織改善を指導する。
総合調整権は地方自治法に基づく措置。強制力はない。
椎木伸一市長の提案理由によると、同社が予定していた米之津川に架かる広瀬川橋梁(きょうりょう)の補修工事を巡り、漁協理事が2021年10月、同社事務所で役員や社員を14時間にわたり拘束、漁業権とは関係のない批判、叱責(しっせき)を繰り返した。同社が行う手続きなどに対し、正当な理由なく拒否、遅延させることは「運行に支障をきたし、経営の根幹を揺るがす問題」と指摘した。
同社は今月13日付で市に対し、漁協への対応に協力を求める要望書を提出。橋梁は1923(大正12)年に建設。劣化が著しく修繕が必要で、工事に着手できなければ重大な事故を招く恐れがあるとしている。
漁協の内木場司組合長は取材に「議会の詳しい内容が分からないので、コメントできない」と話した。