故人を火葬し遺族が収骨後の「残骨灰」を売却、斎場修繕や利用環境向上活用へ 金歯や銀歯など有価金属含み年間4500万円の収益見込む 鹿児島市

2025/03/06 15:30
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 鹿児島市議会は5日、本会議を開き、5議員が個人質問した。市は、故人を火葬し、遺族が収骨した後に残る「残骨灰」について、4月以降に売却する方針を明らかにした。金歯や銀歯などの有価金属を含んでおり、売却益は年4500万円を見込む。斎場の修繕や利用環境の向上に向けた取り組みに使う。

 市環境衛生課によると、残骨灰は市が一定期間供養し、保管場所に入らない分を毎年1回、外部に委託して処理してきた。2019~23年度は1万5833~1万8713キロの処理を各1円で依頼した。これまで同様、売却先には残骨の埋葬供養のほか、残骨灰に含まれる有害物質への対応を求める。

 今回、残骨灰を売却する自治体が増えていることや、市民アンケートで賛成が多かったことから売却を決めた。23年度末時点で政令市15市、中核市21市が売却しているという。

 24年11月に市民342人に実施したアンケート調査では、賛成・どちらかといえば賛成が74.9%、反対・どちらかといえば反対7.6%、分からない17.5%だった。反対意見には、「心情的に抵抗がある」「家族や親族に返すべき」などの声があった。

 本会議で下鶴隆央市長は残骨灰について、「火葬された個人の尊厳を尊重し、遺族感情に十分留意することが重要。今後も適切に対応する」と答えた。

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