小学生の思いに世界料理五輪銀メダリスト・天川伸也シェフが応えた…屋久島の伝統野菜「かわひこ」の洋食レシピ考案 児童に振る舞う

2025/03/06 21:00
天川伸也シェフ(右)の調理に見入る児童たち=屋久島町の神山小学校
天川伸也シェフ(右)の調理に見入る児童たち=屋久島町の神山小学校
 地域の伝統野菜に光を当てて-。子どもたちの思いが、プロの料理人を動かした。鹿児島サンロイヤルホテル(鹿児島市)の洋食部料理長天川伸也さん(46)が、屋久島町原の神山小学校を訪問。地元で自家用に育てられている里芋の仲間「かわひこ」のオリジナル料理を振る舞った。

 かわひこは里芋より大きくもちもちとした食感が特徴で、集落の正月料理に欠かせない食材。同校では、地域ならではの野菜を継承するため、3年前から5年生が栽培とレシピ作りに取り組む。本年度はプロの目線でかわひこの可能性を探ってもらおうと同ホテルに手紙を送付。天川さんの“出張料理”が実現した。

 天川さんが考えたメニューは和風煮込みハンバーグ、ポタージュスープ、豚バラ肉巻きの3品。訪問当日の2月27日は自ら食材を持ち込み、児童らの目の前で調理した。

 粘り気が強いかわひこを生かすため、ハンバーグでは卵の代わりにつなぎとして活用。ポタージュには香り高いゆで汁も使い、肉巻きは独特の食感を味わえる仕上がりに。西田あすなさんは「かわひこのイメージが変わった。こんなにおしゃれでおいしい料理ができるなんて」。岩下優和さんも「手際の良さとアイデアがすごい。シェフの仕事の奥深さも知ることができた」と驚いた様子だった。

 2020年の世界料理オリンピックで銀メダルに輝いた天川さんも初めて知る食材だったという。「伝統野菜が忘れられてしまうのは悲しいこと。今回の出合いを機に、料理人という仕事にも関心を持ってもらえれば」と話し、3品のレシピを同校に贈った。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >