復興を願いピアノの音色と歌声を響かせる参加者=11日午後2時50分、鹿児島市中央町(桑元伸二撮影)
東日本大震災から14年となる11日、発生時刻に合わせ12道府県21会場で鎮魂の街頭ミニコンサート「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」が開かれた。鹿児島県内には8会場が設けられ、来場者は「ふるさと」「花は咲く」の歌声を響かせ、復興が進むようエールを送った。
防災意識も高めてもらおうと震災の翌2012年に鹿児島で始まって14回目。発生した午後2時46分に黙とうをささげた後、街頭ピアノの演奏が始まった。一部会場では日頃から身を守る備えの大切さを呼びかける防災講座もあった。
コーラスグループを含め約170人が訪れた鹿児島市の一番街商店街にあるアエール広場。同市のピアノ演奏家柴藤ひろ子さん(56)が、岩手県大船渡市で起きた大規模な山林火災へのやるせなさも思い描いて情感たっぷりに奏でた。鹿児島市小川町の無職野口久美子さん(69)は「東北の方々は必死に頑張っている。自分も精いっぱい生きたい」。
霧島市の国分パークプラザでは65人が地元の女声合唱団とともに、同市のピアニスト川原美紀さん(60)の音色に乗せた。同市隼人の津之地美代子さん(66)は「あの地震で、当たり前に思われたことが当たり前ではないと痛感する。被災地に心を寄せ続けたい」と話した。