年7700万円~1億円…鹿児島港本港区の住吉町でのホテル事業者公募巡り、県が参考額提示 事業者選定の客観性に疑問も

2025/03/13 22:13
〈資料写真〉鹿児島市住吉町15番街区周辺
〈資料写真〉鹿児島市住吉町15番街区周辺
 鹿児島港本港区の住吉町15番街区にバンケット(祝宴・宴会)機能付きホテルを整備する民間事業者の公募を巡り、鹿児島県は13日、事業者が払うことになる県有地貸付料の参考額が年換算で7700万円~1億円ほどと明らかにした。50年以上の定期借地となることから、事業開始後も必要に応じ、3年ごとを目安に貸付料を見直す方針も示した。

 県議会文教観光委員会で、事業者の公募要領案について説明した。実際の貸付料は公募に応じる事業者と県が協議し、契約までに決める。参考額は県が不動産鑑定評価などに基づいて算出したもので、増減が見込まれるとしている。

 公募を予定する事業者は事前登録が必要で、事業実施に必要な資力があることが条件。選定時の評価基準(100点満点)には、企業の財務状況が事業の収支計画と合わせて3点分入っている。県PR観光課の上門正和参事は「直近3事業年度分の貸借対照表や損益計算書、公認会計士などが作成した監査報告書の提出を求める」と答弁。応募する事業者が1者しかなかった場合でも「提案内容を見て評価していく」とした。

 住吉町を巡っては、鹿児島サンロイヤルホテルが昨年8月、借地での移転意向を表明。県は公平性を確保する観点から、事業者を公募することを9月に決めた。

■事業者選定の客観性担保に懸念の声
 鹿児島県議会文教観光委員会で13日あった住吉町15番街区の民間事業者公募要領案の議論で、事業者選定の客観性担保について委員から疑問や指摘が相次いだ。

 宇都恵子委員(県民連合)は債務超過状態の鹿児島国際観光が住吉町へのホテル移転を希望していることを念頭に、100点満点の評価基準で「収支計画など」の配点3点は低いと指摘。県PR観光課の上門正和参事は「収支計画の実現性が低ければ(配点の高い)『具体的かつ実現性の高い事業内容』の項目も点数は高くならない」と答えた。

 要領案を議論し事業者も選定する評価委メンバーの半数は県職員。透明性への疑問が長田康秀委員(自民)ら複数から出た。上門参事は人選について、2020年に予定していた本港区再開発を担う民間事業者の公募(新型コロナウイルス禍で取りやめ)など過去事例を参考にしたとした。

 県内産業などへの配慮に関する評価基準15点について、県は「高めの配点をした」と説明した一方、委員からは「さらに引き上げるべきだ」との指摘があった。

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