事業所跡にドラム缶や廃タイヤなど大量放置 南種子町の産廃業者に適正化求めるも善処なく県が代執行へ 25年度当初予算案に1億1000万円計上

2025/03/14 21:30
 鹿児島県は14日、南種子町の産業廃棄物処理業者事業所跡に放置されている大量の産業廃棄物を行政代執行で撤去する計画を明らかにした。2025年度当初予算案に約1億1000万円を計上。今後も業者や土地所有者に自主的な撤去を求めるとともに、代執行した場合は費用の負担を求める。

 県議会環境厚生委員会で説明した。同町の大迫産業が事業所跡に廃油ドラム缶約430本分、廃タイヤ約6200本、廃プラスチック約170立方メートルを放置。県は14年ごろから同社に適正な管理を指導していた。

 県によると、土地所有者は自主的に撤去する意向を示しているが進んでいない。現在のところ目立った環境汚染は確認されていないが、廃油の流出や蚊などの害虫発生、飛散の恐れがあるとして、県は代執行の手続きを進めている。

 廃棄物処理法では、産業廃棄物により生活環境保全に支障が生じる恐れがある場合などに県は代執行でき、費用の負担も求めることができる。県によると、執行すれば初となる。

 同社は5年ほど前から経営悪化などで事業継続が困難な状態。県は23年、同社代表者や土地所有者に24年11月までの廃棄物撤去を命じる行政処分を出していた。

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