〈関連〉鹿児島県警の新たな不祥事について頭を下げる岩瀬聡本部長=17日、県議会
鹿児島県議会総務警察委員会(西村協委員長)は17日、県警の不祥事再発防止対策について「懲戒処分が甘い。処分基準を含めた見直しの検討を」などと求める6項目の要望を取りまとめた。岩瀬聡本部長は「重く受け止めた上で、今後の警察行政に生かしたい」と答えた。会冒頭では、飲酒運転と不適切業務に対する14日付の懲戒処分について「いずれも職員の意識の低さから生じている。信頼回復に努める中で発生し大変申し訳ない」と謝罪した。
要望書では、他の公務員と比べて県警の処分は甘いとして、警察庁と協議するよう要求。この他(1)伝達の食い違いのない連絡体制構築(2)女性やマイノリティーの人権を学ぶ研修の充実と継続(3)全職員が参画する不祥事対策(4)県民への効果的な情報発信(5)信頼回復と安全安心の確保-を挙げた。
委員側は「対策策定後も不祥事が続いている。見直す必要はないか」と指摘。岩瀬本部長は「やり方にも問題はあると思うが、繰り返し取り組み、他に良い方法があればためらいなく採用するということを愚直に行うしかない」と述べた。
再発防止策を反映させ、警部補と巡査部長の昇任者の約9割を昇任前とは異なる所属・部門へ配置するなどした今春の人事異動についても質疑が相次いだ。岩瀬本部長は「部門間の縦割りを打破するという考え方は非常に重要だ。来年以降も引き続き進めることによって、より汎用性の高い職員が多く育つ職場環境にしていきたい」と答弁した。
部下が上司を匿名評価する「多面観察」の本格導入のめどについても質問が出た。県警側は一部で試行した結果を踏まえ「質問項目やフィードバック方法の改善を行い、最も効果的な仕組みを引き続き検討していきたい」と答えた。