野間池ロラン局跡で昼食を楽しむ参加者=南さつま市笠沙町野間池
リアス海岸や断崖、奇岩が広がる雄大な景色を軸に地域を発信しようと、鹿児島県南さつま市笠沙町野間池の住民が本腰を入れている。観光案内の地図を作り看板を設置。22日には野間岬ふれあいウオーキングを開催し、市内外の参加者にPRした。昨年2月に笠沙道路が開通しアクセスが大幅に向上したことから、観光客の増加に期待をかけている。
笠沙地区振興協議会元気づくり委員会は、市の事業を活用し2021年度から自然を生かした活動を展開。海を望む夕日ケ丘公園の階段や手すりを整備したほか、草払いをし眺望を維持する。昨年3月に作った浮世絵風の散策地図は立神屏風(びょうぶ)岩、野間岬など絶景ルートを紹介している。
22年から開催するふれあいウオークは3回目。鹿児島や鹿屋など6市から約50人が参加した。往復5.5キロ約3時間の行程で、夕日ケ丘公園を経て、船の位置を測定していた旧野間池ロラン局跡で昼食。東シナ海を前に横一列に並べたいすに座りゆったり食べた。伊集院小学校6年の小川優花さんは、妹の4年明璃さん、年長の智晴ちゃんら家族6人で参加。「海風が気持ちいい。海を見ながらの弁当もおいしい」と語った。
同振興協議会の姥靖会長(68)は「自分たちには見慣れた風景だが大好評。続けたい」。先頭で案内した笠沙地区公民館長で同委員会の福戸山清和会長(60)は「野間池の自然は地域の宝。海、山、空に光を当て発信していきたい」と意気込んでいる。