入港する巡視船「あまみ」=3日、奄美市名瀬の名瀬港
鹿児島県奄美市の名瀬港に3日、奄美海上保安部の大型巡視船「あまみ」(約3500トン)が初入港した。緊張が続く沖縄県・尖閣諸島周辺海域の警備体制強化を図るほか、自然災害に対応する。奄美海保に3000トン級の巡視船が就役するのは初めて。所属船艇は過去最多の4隻となった。
全長約120メートル、定員42人。海上を広く撮影、記録する監視採証装置や遠隔放水銃、40ミリ機関砲を備える新型。ヘリコプターは搭載していないが、離着用甲板があり、燃料補給など海上拠点にもなる。総工費121億円。配備に伴い、奄美海保は42人増の129人体制となった。
船名は、奄美大島沖で2001年に起きた北朝鮮工作船の銃撃・沈没事件で被弾し、24年1月に解役した「あまみ」を継いだ。
3月24日、岡山県玉野市にある三菱重工の造船所から海上保安庁に引き渡され、鹿児島港を経て入港した。平野恵三船長は「安全に運航するため訓練に励み、海難救助などで大いに活躍したい」と話した。