フラーゴラッド鹿児島の代表は一見こわもて。なのにホーム戦はほぼ満員…新生Vリーグ初代王者の快挙を成し遂げた元野球少年。掲げる理念は「地域密着」

2025/04/07 14:30
■「かお」 バレーボールVリーグ男子フラーゴラッド鹿児島の代表・小園康夫(こぞの・やすお)さん

 日置市を本拠地とする男子バレーボールチーム・フラーゴラッド鹿児島(F鹿児島)が、新たに始まったVリーグで初代王者に輝いた。チームの代表を務めて5年目。快挙を成し遂げた小川貴史監督や選手たちを「常に全力で戦い、努力を続けてくれて心から感謝している」とねぎらった。

 設立当初から地域密着を意識する。他チームが集客に苦労する中、Vリーグ初参戦以来、ホーム戦会場はほぼ満員。秘訣(ひけつ)は「商店街に足を運んで地道にPRすること」という。日置、南さつま、いちき串木野の3市で開いた試合に、年配の観客が多いのは何よりの証拠だ。

 幼い頃は野球少年だった。長く高校教諭を務め、野球部などの監督を歴任。「スポーツに人間形成してもらったので、スポーツで地域に恩返ししたい」と早期退職した。

 県内はバレー人口が多いのにプロチームがないのはもったいないと仲間と共にクラブを立ち上げた。設立当初の苦労や初心を忘れないようにと、事務所の壁にはチーム発足当時のユニホームを飾っている。

 鹿児島をバレーで元気にしたいという思いは増すばかり。「地方の子供たちにも夢や希望を与えたい」と、大隅半島や離島での試合開催も目指す。

 「鹿児島といえば真っ先にフラゴラが思いつく、そんなチームをつくりたい」。色付きレンズの眼鏡がトレードマーク。こわもてだが、中身とのギャップで驚かせるのをささやかな楽しみにする57歳。

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