戦艦大和沈没80年、遺族ら190人が戦没者へ祈りささげる 枕崎市で慰霊祭、平和への誓い新た〈戦艦大和の沈没海域の地図あり〉

2025/04/07 22:09
戦艦大和が沈没した海域に向かって祈る遺族=7日、枕崎市の平和祈念展望台
戦艦大和が沈没した海域に向かって祈る遺族=7日、枕崎市の平和祈念展望台
 太平洋戦争末期の1945年、旧日本海軍の戦艦大和が枕崎市の西南西約200キロ沖で米軍に撃沈されてから7日で80年を迎えた。同市の火之神公園内の平和祈念展望台で戦没者慰霊祭があり、全国から集まった約190人が祈りをささげ、平和への誓いを新たにした。

 大和に乗艦していた兄を亡くした杉尾貞敏さん(76)=熊本県山鹿市=が遺族代表であいさつし、「戦死された方のおかげで今日の平和がある。安らかにお眠りください」と冥福を祈った。

 参列者は黙とうをささげ献花した。青森市から初めて参列した会社経営の石澤暁夫さん(63)は、水兵だった叔父の健彌さん(19)=当時=の遺影を持参。「沈没地点に一番近いと聞いた。最期は苦しかったはず。若い世代にも戦争の歴史を正しく学んでもらいたい」と涙ながらに語った。

 慰霊祭は平和祈念展望台奉賛会が主催。メンバーの高齢化や資金不足で2013年以降は自主参拝としていたが、沈没から80年、展望台建立から30年の節目に13年ぶりに開催した。

 奉賛会の岩田三千生理事長(65)は、物価高の影響もあり式典の継続は厳しい状況としながらも、「献花と黙とうによる自主参拝は今後も続け、次世代に受け継いでいく」と話した。

 大和を旗艦とする第2艦隊は1945年4月6日、沖縄戦に向け山口県・徳山から出撃。7日に米軍の波状攻撃を受け大部分が沈没し、3700人余りが亡くなった。

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