「左翼」に残る2連の機銃=18日、阿久根市脇本海岸沖(山本遊児さん提供)
太平洋戦争末期、阿久根市折口の脇本海岸付近に不時着した旧海軍の戦闘機「紫電改」の引き揚げを目指す市民団体などは19日、前日に続き潜水調査をした。紫電改の特徴である2連式の20ミリ機銃とみられる物体を左翼に確認したとして、写真を公表した。
18日は水中文化遺産カメラマンの山本遊児さん(福岡県那珂川市)らが両翼や機銃のような残骸を見つけていた。19日は東海大学(静岡市)の木村淳准教授=水中考古学=が加わり、金属探知機で探索。木村准教授によると、操縦席やエンジンを含むとみられる機体本体が長さ5メートル、幅1.5メートルほどあった。尾翼など機体後部は確認できなかった。翼の長さは左5.2メートル、右5.4メートル。操縦席を中心に直径15メートルの範囲を調べた。
木村准教授は「両翼をはじめ、予想以上に残っていた。金属疲労の状態は分からない」と説明した。調査を呼びかけた「紫電改・林大尉機を引き揚げる会」の肥本英輔代表は「引き揚げへの思いが強くなった。適切な方法を考えたい」と語った。
紫電改は1945(昭和20)年4月21日に米軍と交戦後に不時着し、搭乗していた林喜重大尉(死後少佐に昇進)が戦死した。