鹿児島商工会議所の年始会で会頭としてあいさつする岩崎芳太郎氏=1月9日、鹿児島市
鹿児島県内や国内外で事業展開する岩崎グループ(鹿児島市)を構成する岩崎産業、いわさきコーポレーションなど約20社は、代表取締役社長の岩崎芳太郎氏(71)が会長に就き、長男で代表取締役副社長の貴光氏(39)が社長に昇格する人事を内定した。両氏いずれも代表権を持つ。5月1日の取締役会で正式決定する。持続可能な組織とするためにトップを含む世代交代が必要だと判断した。
グループを束ねる最高経営責任者(CEO)は引き続き芳太郎氏が務める。
中核事業のホテル・観光、運輸部門は新型コロナウイルス流行時の行動規制で打撃を受け、5類移行後も需要は回復途上にある。経営体制を次世代につなぎ、事業再編や再構築を図る。
グループは石油販売やホテル・観光事業の岩崎産業、運輸・交通のいわさきコーポレーション、情報通信の白露カンパニーが柱。全体の売上高は400億円強、従業員約2100人。これまで全部門のトップを創業家が担ってきたが、有能な人材登用も進めていく。
芳太郎氏は「コロナもあり世代交代が遅れた。鹿児島を基盤とするグループが健全に存続できるようにしたい」と説明する。
ホテル事業については、耐震化対応の負担が大きく、霧島は2017年11月に休館、指宿も今年5月末で休館する。建て替えに数年かかることから、人材の他部門での活用を検討している。
貴光氏は08年東京理科大学卒。岩崎産業に在籍したままハワイ州立大学で観光を学び、11年の帰国と同時に社長室長、16年から代表取締役副社長。
芳太郎氏は02年に岩崎産業社長に就任し、グループ全社のトップになった。