両替機に南京錠を三つ取り付けて警戒を強める西村良平社長=霧島市国分上井
鹿児島県霧島市内でコインランドリーの両替機を狙った盗難が相次いでいる。3月下旬から4月下旬までに、少なくとも6店舗で両替機が壊され、現金約50万円が盗まれた。うち4店舗は2回被害に遭っており、事業者は「早く犯人を捕まえてほしい」と訴えている。
国分石油店の西村良平社長(78)=同市国分上井=は市内でコインランドリー13店舗を運営する。西村社長によると、初めて被害に気付いたのは3月23日。集金や清掃のため各店を巡回していたところ、郡田、清水の2店舗で両替機の扉が工具でこじ開けられ、現金を盗まれていた。店内の防犯カメラも取り外され、外に捨てられていた。
すぐさま霧島警察署に被害届を出し、両替機には南京錠を付けるなどした。ところが2週間後の4月4日、またも両店の両替機が壊されていた。さらには11日に銅田、湊、広瀬の3店、17日は松永店、21日には再び湊、広瀬の2店で同様に現金を盗まれた。
1カ月で6店計10件の窃盗に遭い、西村社長によると被害額は約50万円に上る。両替機や防犯カメラの取り換えに200万円以上かかるといい、「設備の改修費がかなり重い」と嘆く。
市内2カ所でコインランドリーを運営する二宮客男(たくお)さん(90)=同市国分広瀬1丁目=は約15年前に同様の被害に遭ったという。それ以来、両替機に「泥棒の方へ、夜間は防犯上お金は入っていないので、機械は壊さないで!」と書いたシールを貼っている。二宮さんは「自分で対応するには限界がある。どうにか防ぐためにやれることをやるしかない」と語った。
霧島署はコインランドリーの両替機を狙った窃盗事件を管内で複数認知しており、捜査を進めている。