障害児支援 指定取り消し 人員配置基準満たさず給付費を不正請求、2200万円返還命令 鹿児島市

2025/05/01 06:47
鹿児島市役所
鹿児島市役所
 鹿児島市は30日、指定障害児通所支援事業者のヒカリヲ(鮫島美和子社長)=同市下伊敷1丁目=に対し、運営する放課後等デイサービスなどの事業所で人員配置基準を満たさなかった上、障害児通所給付費を不正請求したとして、同日付で事業者指定を取り消す行政処分をしたと発表した。不正請求額に4割加算した2204万2318円の返還も命じた。

 事業所は「ダブルレインボー」=同。市障害福祉課によると、同社は23年3月に、児童福祉法で定める個別支援計画を必要な手順を踏まずに作成。このため給付費請求を減算する過誤調整が必要と24年1月、市が指摘したが、そのまま請求を続けていた。

 25年1月の監査で、24年2月からの1年間で計45人分の支援計画の不備が判明。児童指導員や保育士が必要数配置されない日があり、勤務実態に沿った勤務表を作成していない事例も見つかった。4月末時点の施設利用者は児童発達支援8人、放課後等デイサービス13人おり、市は他の事業者に引き継ぐことなどを指導している。

 ヒカリヲの鮫島社長は、給付費返還に応じる意向を示した上で、計画作成を求める市の指導が特定職員に限られていたとして、「処分は不服。内部で情報が伝わらなかった責任は感じるが、市の指導の在り方にも不備があった」と話した。同社は30日までに、処分取り消しを求める訴えを鹿児島地裁に起こしている。

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