鹿児島県は2日、不登校の子の居場所に関する初の実態調査結果を公表した。回答した県内の児童生徒555人のうち、フリースクールなどに「行っている」と答えたのは23.4%で、いずれの施設にも行っていないのは21.4%だった。
調査は支援ニーズを把握するため昨年12月〜今年2月に実施。対象は小中学校、義務教育学校、高校、特別支援学校に在籍する長期欠席者(30日以上)と、その保護者、フリースクールなど居場所になっている施設。回収率は児童生徒10.5%、保護者12.7%、施設28%だった。
児童生徒は中学2年生が20.7%を占め最多だった。不登校の間、フリースクールや放課後等デイサービスに「よく行っている」が13.3%、「ときどき行っている」10.1%だった。
相談機関や支援機関を使用していない保護者に、どのような支援や情報があれば良かったかについても質問。学校以外の勉強できる場所や居場所の情報提供を求める回答が多かった。
施設運営者への調査では、活動内容は「調理体験」「芸術創作」「スポーツ」が目立った。
県子ども福祉課の長井正彦課長は「センシティブな問題にも関わらず千人を超える児童生徒と保護者の協力で、現状やニーズを把握できた」と話した。調査結果は県のホームページに掲載している。
県は近く、教育や福祉分野の学識経験者を交えた協議会を設置。年内をめどに今後の支援策の方向性を示す予定だ。