チーム一丸の守備を見せる鹿児島レブナイズの藤田(12)ら=4月、西原商会アリーナ
8季ぶりにBリーグ2部(B2)の舞台に帰ってきた鹿児島レブナイズが躍進した。西地区2位でプレーオフに進出した強さの要因と、ファンを急速に拡大しているクラブの取り組みや将来像を探る。
チームの勝ちを支えたのは、最後まで走力を落とさずに強度を維持した守備だった。
「自分たちの強みは守備。B3から上がったばかりのチャレンジャーとして、全員がそれぞれの役割に徹することができた結果」。武藤主将はレギュラーシーズン(RS)のホーム最終戦後、充実の表情で振り返った。
1試合の平均失点は78.6点でリーグ5番目に少なかった。運動量を生かした激しい守備は、リーグ屈指の数値を残したスチールに表れた。1試合平均8.2本はリーグ2位。相手に体を寄せてボールを奪い、攻撃の芽を刈り取った。
5日まであったプレーオフ準々決勝も、敗れはしたがチーム一丸のプレスを継続し、最後まで食らいついた。
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攻撃は守備からリズムをつくり、速攻につなげていくのがスタイル。ボールを奪った勢いそのままに、Bリーグダンク王のゲインズらが豪快にリングにたたき込む姿は、鹿児島でおなじみの光景になった。
速攻を軸とする中で、ドリブルでゴール下に切り込んで守備を引きつけ、空いた選手に外からシュートを打たせる形も徹底した。ポジションに関係なく、全選手が3点シュートを狙えるのも強みとなった。
細部にもこだわって勝利を引き寄せた。フリースロー成功率は74.3%でリーグ1位。接戦を制する上で大きな役割を果たした。
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RS最終戦、神戸との試合も激戦だった。けが人が出て出場できたのはベンチ入り12人中9人。それでも、シーズンを通じて徹底してきた全員攻撃・全員守備で底力を見せた。
守備では誰が出ても変わりなく対応できるまでに戦術が浸透。ベテランの武藤や藤田は懸命にゴール下で体を張った。攻撃ではエース不在の中、ガード上良が得意の3点シュート6本を含む20得点と成長を示した。
「自分たちの誇りを感じる試合。やるべきことを責任を持って遂行してくれた」とカレロ監督。総力を結集し、個のレベルも大幅に上がった今季の戦いぶりが最終戦には凝縮されていた。