子どもたちと交流するレブナイズの伴馬(左)と飴谷=4月、鹿児島市の清水小学校
8季ぶりにBリーグ2部(B2)の舞台に帰ってきた鹿児島レブナイズが躍進した。西地区2位でプレーオフに進出した強さの要因と、ファンを急速に拡大しているクラブの取り組みや将来像を探る。
「今日はどこのチームかな」-。レブナイズの交流サイト(SNS)には、選手が小学校を訪れ児童と触れ合う様子がたびたび取り上げられる。地域への貢献やクラブの認知度向上を目指し続けている取り組みだ。
4月は伴馬、飴谷の両選手が鹿児島市の清水小学校で地元のミニバスケットボールスポーツ少年団と交流した。子どもたちは地元チームの人気選手とシュート対決で競い合うなどし目を輝かせた。
選手と対戦した6年の山下新菜さんは「試合で見るよりも大きくてかっこよかった。もっとうまくなりたい」と笑顔。飴谷は「交流を通じ、街全体にバスケやレブナイズが広がっていくのはうれしい」と話した。
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スポーツを通して地域の活性化を図るクラブの活動に共感し、支援するスポンサーの数は増えてきた。B3時代から80社ほど増え今季は約300社。新規や増額もあり、スポンサー収入は計4億円ほどにまで伸びた。
「桷志田」の銘柄で知られる福山黒酢は4月のホーム最終戦で冠スポンサーを務めるなど昨季から支援を続ける。きっかけは試合観戦。津曲晋作社長は「バスケのエンタメ性と鹿児島という地元を応援する一体感に引かれた」と振り返る。
これまでもスポーツ施設の命名権を獲得するなど「世の中の健康に役立つ」の企業理念のもと、スポーツ振興に携わってきた。「ともに鹿児島の発展に携われるのは喜び。子どもたちがスポーツに触れる環境の確保などにつながればうれしい」と力を込めた。
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ホームタウンの鹿児島市もユニホームへのロゴ掲出なども含め、レブナイズ地域活性化実行委への負担金として年800万円を支出している。「スポーツは多くの感動、にぎわいの創出につながる。市民一丸の機運を醸成したい」と地元密着のチームとしての役割に期待する。
レブナイズが発表した経済効果の試算では、B3を戦った昨季の波及効果は26億2600万円(うち鹿児島県内分12億2000万円)に上った。交通や宿泊、飲食のほか、消費拡大など間接的効果も含まれ、来場者が増えたB2の今季はさらなる波及効果が期待される。