新種と判明したダイオウカサゴ(鹿児島大学総合研究博物館提供)
食用の高級魚として人気のフサカサゴ科オニカサゴ属の一種が、新種だったことが、鹿児島大総合研究博物館の研究チームの調査で分かった。体長約30センチと同属では大型であることにちなみ、標準和名を「ダイオウカサゴ」と命名。この大きさの魚が新種と判明するのは珍しいという。5日に日本魚類学会発行の英文誌で公開された。
ダイオウカサゴは、オレンジ色の体に黒い斑点があるのが特徴。九州沿岸を含めて西太平洋に広く分布するとみられ、岩礁に生息する。これまでオニカサゴ属の別の2種と混同されてきたが、形態や遺伝学的に異なることを証明した。
種の基準となる代表標本は、2008年に内之浦湾で採集された。研究の中心となった松本達也特任助教(28)は「パッと見ただけでは識別が難しく、別の種に分類されてきた。よく知られる魚の命名に関われたことに意義を感じる」と話した。