降灰による欠航が相次ぎ、利用客で混雑する鹿児島空港=15日午後6時半ごろ、霧島市
桜島の相次ぐ噴火による降灰の影響で15日、霧島市の鹿児島空港を発着する25便が欠航した。欠航便は午後5時以降に集中。ビジネス客や自宅へ戻る旅行客が足止めされ、航空会社のカウンターには搭乗便の変更や払い戻しを求める人であふれた。
欠航したのは日本航空やスカイマークの羽田や伊丹、奄美便など。日航の1便は目的地を変更した。鹿児島空港事務所は16日明け方、滑走路の状況を調査し、ロードスイーパーをかけて火山灰を清掃するか判断する。全日空など一部便は16日の欠航を決めた。
「降灰で欠航なんて全く想定していなかった」。川商ハウス(鹿児島市)の西村真哉・鹿児島北店店長(40)は同僚2人と松山市へ出張するはずだったが、松山便は1日1便のため延期した。「早く先方に知らせないと」と連絡を急いだ。
横浜市の主婦川原聖子さん(61)は娘と2人で鹿児島市に単身赴任中の夫を訪ね、帰宅する最中だった。「きょう桜島に行って迫力ある噴煙の写真が撮れたと喜んでいたのに。宿を確保しなくては。もう1日滞在できると前向きに考えたい」と気持ちを切り替えた。
鹿児島市行きのバス乗り場には長い列ができ、空港の観光案内所には周辺のホテルやバスの運行状況を尋ねる人が相次いだ。対応に追われた鹿児島空港ビルディングの増留汐里さん(26)は「これだけの相談が来るのは台風シーズンぐらい。火山噴火は台風と違って、事前に予測するのが難しいので少し困惑した」と話した。