噴煙を上げる桜島=19日午後6時18分、鹿児島市与次郎1丁目(本社監視カメラ)
桜島で山体膨張が観測されて19日で1週間がたった。鹿児島地方気象台によると、南岳山頂火口の爆発は同日午後10時までに計50回に上り、今年の爆発回数は5年ぶりに100回を超えた。12日から始まった山体膨張は一時収縮したものの、15日午後3時半すぎから再び膨張している。専門家は、小規模な火砕流発生や大きな噴石の飛散に注意を呼びかけている。
京都大学防災研究所付属火山防災研究センターの中道治久センター長によると、13日夕から15日にかけて多くのマグマが供給された。15、16日は、中量以上の噴煙の観測が続く連続噴火があったが、蓄積したマグマを解消できなかった。17日以降は新たな供給もあり、単発の噴火が続く。
2020年6月4日、推定1メートルの噴石が民家の近くまで飛び、地面に直径6メートル、深さ2メートルの落下痕ができた。今後は同規模の爆発が起きる可能性がある。
中道センター長は「現在の状況が数日は続くとみられるが、大正噴火クラスが起きる前兆はない」と話した。噴火警戒レベル3(入山規制)を引き上げる条件にも当てはまらないという。
25年の爆発は19日午後10時までで107回に達した。年間で最多だったのは昭和火口の活動が盛んだった11年の996回。12~15年は400回以上、南岳が活発になった18~20年は200回以上で推移した。
気象台によると、19日は午後10時までに爆発が14回あり、連続噴火はなかった。