江藤拓農相の辞任を伝えるテレビ報道を見る人たち=21日午前11時半すぎ、エディオン鹿児島山形屋店
「コメで困っているときに許せない」「市民感覚とずれている」-。価格高騰が続く中、講演で「コメを買ったことがない」などと発言した江藤拓農相が更迭となった21日、鹿児島県民の間に怒りの声が広がった。
「腹が立ってしょうがない。すぐに辞任すべきだった」と憤るのは南大隅町根占山本の無職女性(75)。「コメの価格高騰が子ども食堂なども直撃しており、コメが食べられず困っている人たちもいる。厳しい生活を送っている人のことを全く理解していない」と切り捨てた。
鹿児島市上之園町の自営業女性(45)は「ふるさと納税で届くコメも最近はどんどん割高になっている。大臣にもう少し価格を下げるなどの実績があれば良かったのだが」と強調。「せめて国民に寄り添った発言をしてほしかった」とため息をついた。
同市上竜尾町の会社員男性(36)は「大臣はスーパーなんて本当は行かないんじゃないか」と庶民感覚とのズレを感じていたという。「備蓄米放出の効果も見えてこない。とにかく国民が実感できるような施策をしてほしい」と要望した。
あらゆる分野で物価高が続き市民生活はひっ迫する一方だ。指宿市で子育て支援のNPO法人代表を務める女性(43)=同市大牟礼1丁目=は「食は一番身近な問題で世間もピリピリしている。首相の任命責任が問われても仕方ない」と指摘する。
子どもたちが年々食べるコメの量は増え、最近は2俵が半年も持たないほど。小学5年と4年の2児の母としてもコメの価格動向が気がかりで「今後もっと高くなるのか、それとも下がるのかが読めず不安」と口にした。
後任に選ばれたのは自民党の小泉進次郎前選対委員長。鹿屋市野里町の自営業女性(79)は「若いから、割り切った斬新な新しい取り組みを取り入れてほしい」と変革に期待した。