議場取材を拒まれ3年半、地域ウェブメディアが町を提訴 「表現の自由が制限され精神的損害を負った」慰謝料1円を請求 屋久島町

2025/05/22 06:09
屋久島町役場本庁舎
屋久島町役場本庁舎
 屋久島町政を巡る問題を報道する地域ウェブメディア「屋久島ポスト」が2021年11月から約3年半にわたり、町議会の傍聴席での取材を拒まれたとして、町を訴える国賠訴訟を鹿児島地裁に提起したことが、21日までに分かった。憲法が保障する「表現の自由」などを制限され、精神的な損害を負ったとして町に慰謝料1円を請求している。

 訴状などによると、21年11月26日に議会での録音や撮影を含む取材を初めて試みた際は、町議会全員協議会で特例で認められた。しかし、それ以降は「議長判断」で断られ続けた。

 議会傍聴規則で、傍聴席での撮影や録音は原則認められていないが、議長の許可があれば可能。25年4月に議会へ取材許可を書類申請すると、議場での取材許可を受けたという。

 屋久島ポストは町民有志で21年11月に発足した。共同代表(57)は「大手メディアは、許可申請しなくても慣例で取材できている。本来多種多様なメディアに開かれた議会であるべきだ」と話した。

 町は対応を「訴状が届いてから検討する」としている。

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