全校生徒が株主! 高校生が仕入れから決算まで…「指商デパート」今年もバッチリ黒字、株主総会で地域貢献も報告

2025/05/26 07:03
〈資料写真〉2024年11月、恒例の「指商デパート」で、笑顔で商品を販売する生徒たち=指宿市の指宿商業高校
〈資料写真〉2024年11月、恒例の「指商デパート」で、笑顔で商品を販売する生徒たち=指宿市の指宿商業高校
 指宿商業高校(鹿児島県指宿市)の株式会社「指商」は20日、同校で株主総会を開いた。株主兼社員となる全校生徒459人のうち370人が出席。前年度の活動報告や決算、2025年度の事業計画などを承認した。

 「指商」は12年4月に設立。同校OBや地元の経営者らが取締役を務め、希望する生徒が統括事業本部の執行役員として社業の中心を担う。

 昨年度は「指商デパート」などで計684万6785円の売上高があり、当期純利益は10万8663円だった。中学校でのマナー講習や租税教室、市内学校への本の寄贈にも取り組んだことを報告した。

 第14期の25年度は、卒業生148人から1年生137人に株式が譲渡され、複数の学校行事や市外のイベントで物販を計画する。統括事業本部の福留加那本部長(3年)と下山望亜副本部長(同)は「準備は大変だったが、承認されてほっとした。今年は前年より販売の機会を増やしたので、多くの方々に株式会社指商を知ってもらいたい」と話した。

 ■指商(いぶしょう)デパートとは

 生徒が仕入れから販売・決算まで担う恒例行事。1990年に始まり、2012年には全校生徒が株主兼社員となる株式会社「指商」を設立した。デパートの収益などで地域貢献事業を行い、毎年株主総会を開くなど、実践的な商業教育に取り組む。

 2023年には同校教職員が文部科学大臣表彰を受けた。岐阜や茨城、福岡などの県立高校も同校をモデルに株式会社を設立しているという。

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