電話で悩みを聞く相談員(鹿児島いのちの電話提供)
誰にも相談できない悩みを抱える人を支える「鹿児島いのちの電話」が、相談員不足に陥っている。1989年の創設以来、24時間態勢で電話相談に対応してきたが、維持が厳しい状態。事務局ではボランティア相談員養成講座への参加を呼び掛けている。
いのちの電話は、自殺防止を目的に設立。深い悩みを持つ相談者は夜明けを怖がる傾向があり、深夜の電話に対応できるように新型コロナ禍も24時間態勢を維持してきた。
相談には養成講座を修了した人が当たり、ピーク時には約180人が登録していた。しかし、働くシニア層が増えたことなどを背景に現在は約90人に半減。慢性的な相談員不足で、2台の電話のうち1台しか稼働できない状態が続いているという。
事務局によると、2024年度の相談件数は約1万3000件に上り、男女比はほぼ同数。10代から80代までと年齢は幅広く、自殺をほのめかす内容は1割ほど。生活費不足を訴える高齢者やDV被害など生きづらさに悩む相談が増えている。
相談員になるには、毎週木曜日午後7時から1時間15分の公開講座を20回受講した後、年明け後の養成講座(7回)の受講が必要。諸経費が2万円かかる。問い合わせは事務局=099(250)1890。