10年で立ち入り検査14回、再三の指導に従わず――有料老人ホーム運営会社に業務改善命令、代表者「故意でないことは県も理解」 南さつま

2025/05/31 06:03
鹿児島県庁舎
鹿児島県庁舎
 鹿児島県は30日、再三の改善指導にもかかわらず、県の指針に基づき適切な運営がなされていないとして、南さつま市で有料老人ホームを運営する「夕焼けこやけ」に業務改善命令を出した。老人福祉法に基づく処分。6月30日までに改善計画書の提出を求めた。有料老人ホームに対する県の業務改善命令は2018年、利用者が相次いで死亡した鹿屋市の「風の舞」(廃止)の運営法人に続き2例目。

 県は24年までの10年間に無通告を含めて計14回、同社が運営する「石蕗(つわぶき)の里」3施設に立ち入り検査し、文書や口頭で改善を指摘してきた。しかし、昨年11月の検査でも、避難訓練の未実施や入居者の転倒事故に関する記録を残していないなど、県の設置運営指導指針に従っていない事案が計23件見つかった。

 高齢者生き生き推進課は「指摘が放置されたり、改善しても再び指摘したりする項目があった。入居者の安心安全に関わる問題であることを重視した」としている。小堀満平代表は「故意でないことは県も理解している。命令に従って改善していく」と話した。

 夕焼けこやけを巡っては、運営する訪問介護事業所が2度にわたって介護報酬を不正に請求したとして、県が1月に指定を取り消した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >