馬毛島基地整備との関連は否定…防衛省、医師不足の公立種子島病院に研修医派遣 地元要請に応える

2025/06/01 07:03
公立種子島病院=南種子町
公立種子島病院=南種子町
 鹿児島県南種子町にある公立種子島病院に30日、防衛省からの研修医が着任したことが分かった。西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に絡み、町が同省に派遣を要請していた。約6週間の交代制で、来年5月14日まで計8人が派遣される予定。

 派遣元は自衛隊中央病院(東京都)と防衛医科大(埼玉県)。平日の外来診療や在宅医療、病棟診療を担い、月数回の宿直にも入る。

 防衛省人事教育局によると、町からの要請に加え、へき地医療を学べることや病床数200床未満の小規模病院であることから、地域医療を学ぶ「初任実務研修」の施設に決まった。基地整備との関連は否定している。

 町は基地整備に絡み、町内に隊員宿舎など関連施設ができるとして2022年から医師派遣を要請してきた。小園裕康町長によると、4月後半に派遣が決定した。基本的な給与は派遣元の病院が支払うという。

 現在、種子島病院は常勤医1人。鹿児島市立病院と市立池田病院(大阪府)から研修医の派遣を受けているが、外来が増えており、医師不足による負担軽減のため病床を62床から19床に減らし、救急を休止中だ。

 病院近くの町有地にはヘリポートが整備される予定で、町は今後も継続して防衛省に医師の派遣を求めていく。小園町長は「とてもありがたい。医師のキャリア形成などお互いの協力関係につながれば」と話した。

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