奄美空港に向かって喜界空港を出発する飛行機=喜界町
離陸したと思ったら、すぐに「着陸態勢に入ります」-。日本エアコミューター(JAC)が運航する奄美空港(鹿児島県奄美市)-喜界空港(同喜界町)は、飛行距離が日本一短い飛行機の定期航空路線となっている。直線距離では約24キロしか離れておらず、飛行距離は約80キロで、時間は約10分。観光関係者は「窓から見える海が近くてきれいなのが魅力。あっという間で、アトラクションみたいな楽しさがある」としている。
JACによると、飛行中はシートベルト着用サインがずっと点灯している。日本一短い航路になったのは昨年8月1日から。琉球エアーコミューター(RAC)の沖縄県北大東島-南大東島(直線距離約13キロ)が運休となったためだ。
現在は双発のプロペラ機ATR42-600(48人乗り)が、1日2往復している。喜界町の推計人口は3月末現在で約6000人だが、JACが運航を始めた1983年12月以降の総利用者は約190万人に上る。広報担当者は「短いながらも特別なフライトを楽しんでもらえれば」とPRする。
奄美大島と喜界島を結ぶフェリーの所要時間は約2時間で、飛行機の飛行時間の約12倍。喜界島の日本一と言えば白ごまの生産量が有名で、喜界島観光物産協会の萩原真貴子さん(30)は「ぜひ新たに加わった日本一短い航路を使って、夏の白ごまの花や、秋のセサミストリートと呼ばれる天日干しを見に来てもらえたら」と呼びかけている。