土砂が流入し通行できなくなった道路=10日、鹿屋市吾平町上名
活発化する梅雨前線の影響で、鹿児島県本土は10日も各地で大雨となった。大隅地方では9日夜に線状降水帯が発生。人的被害はなかったが、床下浸水やがけ崩れが相次いだ。前線は11日にかけ九州南部に南下する見込みで、鹿児島地方気象台は土砂災害への警戒を引き続き呼びかけている。
8日午前0時の降り始めから10日午後8時までの雨量は、指宿市447ミリ、肝付町前田382.5ミリ、同町内之浦323.5ミリ、鹿屋市寿308.5ミリとなった。
指宿市では、床上浸水4棟、床下浸水14棟に上り、土砂崩れで市道2カ所が通行止めになった。肝付町では床上浸水1棟、床下浸水3棟を確認。道路の冠水で車両2台が水没し、乗っていた3人のうち、70代の女性が消防に救助された。
鹿屋市はのり面崩落や崩土が29件、市道の全面通行止めが一時15カ所あった。同市吾平町上名の市道に面した一軒家に住む会社員内立元章さん(54)は「雷が落ちたような音がした。外に出ると道路に土砂が堆積し通れなくなっていた」と話した。
JR九州は10日、指宿枕崎線で始発から一部区間の運転を見合わせたが、午後5時すぎに全線で再開。日豊線や肥薩線も一部区間で運転を一時中止した。県教育委員会によると、指宿枕崎線を利用する生徒が多い錦江湾、指宿、指宿商業、頴娃の4高校が休校した。
気象台によると、県本土では11日夜遅くにかけて非常に激しい雨が降る恐れがある。予想される1時間雨量は多い所で、薩摩・大隅地方50ミリ。11日午後6時までの24時間雨量は多い所で薩摩・大隅地方150ミリ。