害獣の動きが活発化する時期を前に意気軒昂なチーム犬迫スペシャルハンターズ=鹿児島市犬迫町
鹿児島市犬迫町の住民有志でつくる「チーム犬迫スペシャルハンターズ」が、地元で深刻化する鳥獣被害に立ち向かっている。活動3年目の2024年度はイノシシ、アナグマなど173匹を捕獲。今年も害獣の動きが活発化する時期を前に、メンバー5人はさらなる成果をと意気込む。
4年前、チーム副代表の今森誠二さん(53)が地域の害獣対策を消防団仲間に相談したのが始まり。駆除チームをつくるアイデアに40、50代の4人が手を挙げた。狩猟経験者の中間隆さん(66)をコーチ役に迎え、全員がわな猟の免許を取得。犬迫地区コミュニティ協議会も助成金を出すなど協力体制も整えた。
1年目の捕獲数はイノシシ22匹で、2年目はイノシシ60匹、アナグマ19匹、タヌキ1匹と年々増加。中間さんは「経験を積むことで成果が上がった」とみる。
ユニホームとして黒いTシャツとジャンパーもそろえた。なぜか獲物の側のイノシシが銃を手ににらむマッチョなイラストだが、力強い横文字のロゴも相まって子どもにも人気という。
代表の古野剛さん(48)によると、全員勤めがあり休日にわなを仕掛け、毎日出勤前にチェック。「足跡などで通り道が分かるようになった。活動が住民に知られ、目撃情報が寄せられることも大きい」と話す。
目的は駆除で、今のところ獣肉の活用は考えていない。それでも、駆除した動物の供養を全員参加で地元の寺で行うことを会則にうたう心優しきハンターたち。目下の悩みは、被害の増加にメンバーの手が回らないことだ。