産廃が積み上がる現場=11日、南種子町中之上
鹿児島県は11日、南種子町の産業廃棄物処理業者が町内に放置している産業廃棄物を、行政代執行で17日から撤去すると発表した。廃棄物処理法に基づく県の代執行が初めて実行される。
強制撤去するのは同町の大迫産業が事業所跡に放置する廃油ドラム缶約150本分、廃タイヤ約6200本、廃プラスチック約170立方メートル。流出の恐れがある廃油の処分から着手する。費用は約1億1000万円を見込み、本年度中に処分する。代執行終了後、業者と土地所有者に費用の負担を求める。
県廃棄物・リサイクル対策課によると、現場は住宅地に近い国道沿いで、立ち入りや廃棄物飛散を防ぐ壁もなく野積みされている。県は2014年ごろから業者に適正な管理を指導。6年ほど前から指導に応じなくなったため、業者と土地所有者に対し、24年11月までに全量撤去を命じる行政処分を出していた。
期限内に撤去の動きが見られず、県は生活環境の保全に支障が生じる恐れがあるとして、代執行に向けた手続きを進めてきた。