13日の備蓄米受け入れに向けて精米機のメンテナンスをする従業員=12日、さつま町田原
随意契約で放出された政府備蓄米の販売は、14日から鹿児島県内の小売店などで本格化する。8日にいち早く店頭に並べた鹿児島市のタイヨーは13日に県内全76店舗まで拡大。首都圏に続き、安定的な供給に期待がかかる。多くの小売業者は県内での精米処理を予定し、受託業者は対応に追われている。
中小スーパーで構成するシジシージャパン(東京)の加盟社にはようやく備蓄米が届きつつある。鹿児島市のなりざわは5キロ600袋以上を取引のある精米業者に処理してもらう。県内4店舗に振り分け、14日から2160円で販売する。
同じく加盟する南さつま市の総合スーパー「タイヘイ」は、地元で運営するピコ、タイヘイ吹上店(日置市)の2店舗で同日に2160円で販売予定。混雑を見越し1家族1袋とし、開店1時間前から整理券を配布する。
精米業者は準備を急ぐ。大手ドラッグストアと取引のある谷口商店(さつま町)は13日朝から作業に入る。14日までに5キロ6000袋分をさばき、15日まで順次発送する。
土日は通常休みだが、今回は「早く店頭に並べたい」との取引先の要望を受けて、臨時シフトを組んで土日も作業。備蓄米の搬入輸送は国が担うものの直前まで正確な到着時間が分からず、通常業務との調整が難しい。13日は通常業務を中断して対応する。
備蓄米を取り扱う上で心配な点は、持ち込まれるまで品種や産地がよく分からないところ。古米を精米する機会もほぼなかったため、現物を見て精米機の設定を微調整しながら対応していく。谷口雄一専務(40)は「消費者の期待に応えられるよう万全を期して速やかに出荷したい」と話した。
コンビニ大手ローソン、大和(薩摩川内市)も14日の発売を見込む。ダイレックス、ドラッグストアコスモスなどは「詳細は未定」としている。