日本考古学協会主催の高校生ポスターセッションで優秀賞に輝いたまちづくり研究部の3人=瀬戸内町の古仁屋高校
鹿児島県瀬戸内町の古仁屋高校まちづくり研究部の3人が、日本考古学協会が主催する高校生ポスターセッションで、全国で3校のみに贈られた優秀賞に輝いた。発表内容は、町内にある国指定史跡「奄美大島要塞(ようさい)跡」の活用方法。同部は地域課題の解決を目指して2022年に発足し、全校生徒95人のうち兼部も含めて23人が所属する。今回が部としても初の入賞となり、学校には笑顔が広がっている。
同部は有志が集まって発足。マングローブの植栽や、地域の素材を生かした商品開発などに取り組んでいる。
今回の3人は、3年の川崎良徳さん(野球部)、小田風夏さん(書道部)、2年の志摩潮音さん(吹奏楽部)。奄美大島にある宇宿貝塚など三つの国指定史跡を回って保存や活用状況を調べ、奄美大島要塞跡での鹿児島大学や筑波大学による調査にも協力した。
ポスターでは、今後の活用に向けて、高校生も含めた住民全体の意識向上、デジタル技術を生かした効率的な情報発信を課題としてまとめた。発表会は5月下旬に筑波大学であり、3人は約4時間の間に大学教授ら約100人に説明した。参加校は18校だった。
奄美大島要塞跡は、手安弾薬本庫跡など旧日本陸軍の三つの戦争遺跡。23年に史跡に指定されている。
小田さんは「まずは地元の人に興味を持ってもらう取り組みが欠かせないと感じた」。川崎さんは「課題解決に向けて今後も後輩たちが研究を進めてくれたらうれしい」とし、志摩さんは「意志を引き継いで頑張りたい」と話した。