豚熱感染が確認された死んだ野生イノシシ=宮崎県高原町(同県提供)
宮崎県は20日、高原町内で死んで見つかった野生イノシシの成獣1頭が、豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での野生イノシシ感染は、4月9日に都城市高崎町で幼獣の死骸が見つかって以来2例目。
宮崎県畜産局によると、野生イノシシは体長80センチ、重さ50キロの雄。死骸は19日正午、1例目から北に約4キロ離れた田のあぜ道で住民が見つけ通報した。20日に宮崎家畜保健衛生所が実施したPCR検査で陽性を確認。国に報告し確定した。ウイルスは経口ワクチン由来でなく、野外株だった。
発見場所から10キロ内では、養豚農場91戸が約16万2000頭の豚を飼っている。全ての飼養豚がワクチン接種済みのため、移動・搬出制限はしない。発見場所は4、5月、1例目確認に伴い経口ワクチンを散布した10キロ圏内のため、新たな散布も行わない。
91戸には20日、都城家畜保健衛生所が電話で農場周辺の防疫対策を指導したほか、関係団体に通知文で引き続き警戒を呼びかけた。
豚熱は人にはうつらず、仮に感染した豚の肉や内臓を食べても影響はない。一方で、豚やイノシシへの感染力は強く致死率も高い。