イノシシ被害相次いだ鹿児島市、捕獲期間拡大で2倍超の3478頭を駆除 想定以上で報奨金は案分に

2025/06/30 17:30
わなにかかったイノシシ=2024年6月、鹿児島市犬迫町(チーム犬迫スペシャルハンターズ提供)
わなにかかったイノシシ=2024年6月、鹿児島市犬迫町(チーム犬迫スペシャルハンターズ提供)
 鹿児島市内で有害鳥獣として捕獲されたイノシシが2024年度は3478頭と、前年度の1673頭から2倍以上に増えたことが分かった。市は市街地で住民がかまれてけがをする被害が相次いだことなどから、3月16日~10月31日だった捕獲許可期間を通年に拡大。駆除の強化とともに、餌場となる住宅地近くの竹林や家庭菜園などの適正管理を呼びかけている。

 市生産流通課によると、捕獲許可は主に農作物に被害を及ぼす鳥獣が対象。ただ、近年は住宅地に出没するイノシシが増え、21年度に54件だった目撃情報が24年度は229件と年々増加している。人的被害も23、24年度に4件発生した。

 このため、24年度はイノシシとシカについて許可期間を拡大。その結果、イノシシの捕獲が倍増し、シカも前年度の316頭から482頭に増えた。

 捕獲後は一部をジビエ(野生鳥獣肉)として活用するが、大半は埋設処分している。

 一方で、当初は国・市合わせて1万1400円だった1頭当たりの報奨金(捕獲活動支援補助金)が、想定以上に捕獲頭数が増えたため、後半は残りの予算枠内での案分となった。市は25年度予算に有害鳥獣対策として4030万円を盛り込むが、年間捕獲頭数の予測は難しく、対応が追い付かないという。

 同課は「野生生物が本来いるべき山から下りてこないよう、人とのすみ分けが大事だ」として、イノシシを寄せ付けない環境整備を訴えている。

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