資料写真〉十島村悪石島のやすら浜港
21日朝から700回近い地震が続いている十島村悪石島。30日午後6時33分、震度5弱の強い揺れが島を襲った。「突き上げるような揺れが怖かった」「いつまで続くのか」-。被害は確認されていないが、住民は不安を募らせている。
「強い揺れを10秒ほど感じ驚いた」。義務教育学校悪石島学園の當房芳朗校長(52)はすぐに全校児童生徒14人とその家族の無事を確認した。「不安と恐怖で眠れない子どももいるだろう。早く収束してほしい」と願った。1日の登校の可否は同日朝に判断する。
島内の民宿「西荘」の西恵子さん(56)は「いつもより揺れがちょっと強いと感じた」。宿泊客の食事の準備中で、火を消すことに追われた。「宿泊予定客のキャンセルが徐々に出始めた。早く落ち着いてほしい」と話した。
十島村は、鹿児島市泉町の村役場に災害警戒本部を設置。総務課と土木交通課の職員2人を役場に常駐させ情報収集にあたった。島の出張所と消防団には安全点検を依頼した。
悪石島では2021年12月に震度5強の地震が発生。約30人が奄美大島や鹿児島市に避難した。今回、島外避難を希望する住民は30日夜時点でいないという。久保源一郎村長は「地震の動きが読めず不安。強い揺れが来ても慌てず、身を守る行動を取ってほしい」と呼びかけた。