村営船「フェリーとしま2」に乗り込む住民ら=4日午前7時すぎ、十島村の悪石島
震度6弱の地震から一夜明けた鹿児島県十島村の悪石島で4日朝、希望する住民13人の島外避難が始まった。同日もトカラ列島近海を震源とする地震が相次ぎ、午前11時までに震度4を1回観測。震度1以上の有感地震は計58回で、6月21日からの累計は1180回となった。
島外避難に使われる村営船「フェリーとしま2」は4日午前7時ごろ入港し、0〜80歳の13人が乗り込んだ。フェリーは同日午後6時半前に鹿児島市に到着する見通し。
福岡管区気象台によると、同日の震度4は午前9時3分ごろに発生。震源の深さは約20キロで、地震の規模はマグニチュード4.4と推定される。小宝島と諏訪之瀬島、奄美市笠利でも震度1を観測した。
午前11時現在、このほか震度3が6回、震度2が8回、震度1が43回あった。累計1180回の内訳でみると、震度6弱が1回、震度5弱が3回、震度4が26回、震度3は87回、震度2は279回、震度1は784回だった。
気象台は当分の間、震度6弱程度の地震が発生する可能性があるとして、強い揺れに注意を呼びかけている。
◇島外避難用の巡視船が対応準備
鹿児島県は3日、十島村悪石島で発生した震度6弱の地震を受け、災害対策本部を設けた。各関係機関を集めた対策会議では、島民の安全とライフラインに被害がないことを確認。第10管区海上保安本部は島外避難に巡視船を対応させる準備をしていると説明した。
県職員のほか10管や県警の担当者など約30人が集まった。島にいた76人の無事を確認し、気象庁の震度分布図などの資料を共有した。
会議後、久野聡災害対策課長は「住民の安全が第一。村と緊密に連携を取りニーズに応える」。塩田康一災害対策本部長は「終わりが見えず不安な気持ちだと思う。避難方法や避難場所についても支援したい」と話した。
10管は3日までに、巡視船4隻、固定翼機、無人航空機の計2機で対応。悪石島沿岸部の被害状況を調べ、警察官3人を奄美大島から悪石島に移送した。