【累計1500回超す】頻発地震が始まった6月21日から、7月6日午後10時までに発生した地震の震央分布図(気象庁ホームページより)。右上が悪石島、左下が宝島
群発地震が続くトカラ列島の鹿児島県十島村悪石島で6日午後2時すぎ、震度5強の地震が続けて発生した。島外避難の第2陣となる村営フェリー出港後で、村は島に残る28人全員の無事を確認した。島外避難した悪石島と小宝島の46人は同日夕方、フェリーで鹿児島市に到着した。6月下旬から続く地震は6日午後10時までに累計1528回となった。
気象庁によると、震度5強は午後2時1分と同7分に悪石島で観測した。震源地はいずれもトカラ列島近海で震源の深さはそれぞれ21キロ、23キロ。地震の規模はマグニチュード(M)4.9と5.5。小宝島と諏訪之瀬島で震度3、奄美市などで震度2、中之島や徳之島でも震度1を観測した。津波は観測されなかった。
気象庁は震度5強の地震が続けて起きたことを受けて会見し、当分の間、震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけた。2回の地震はほぼ同じ場所で連続して発生したとし、地震活動は「依然、活発な状況が継続している」とみている。
トカラ列島近海(小宝島付近)では6月21日から地震活動が活発化し、悪石島では、震度6弱を1回、震度5強を3回、震度5弱を2回観測した。最大規模の地震は小宝島で震度5弱を観測した2日のM5.6。
3日の震度6弱の地震を受け、村は島外避難の希望を募り、4日に第1陣の13人が悪石島から避難した。6日は第2陣となる31人に加え小宝島の15人も島を出た。悪石島の小中学生12人は全て島を離れたため授業はオンラインで実施する。
村によると、悪石島はこれまでに44人が島外避難した。残った28人の内訳は20〜70代の住民23人と村職員ら。2日に震度5弱を観測した小宝島も島外避難の対象となり、42人が島に残った。
6日は午後10時までに128回の地震があった。震度5強2回のほか、震度4が3回、震度3が11回、震度2が37回、震度1は75回。