悪石島やすら浜港付近。地震の影響か、山肌があらわになった斜面が見える=9日午後1時5分、十島村悪石島
鹿児島県トカラ列島近海の群発地震で、十島村は15日、悪石島と小宝島からの島外避難者65人のうち、悪石島の約20人が帰島の意向を示していると明らかにした。最短で16日夜に鹿児島市を出発する村営船で帰る。震度1以上の有感地震は15日も続き、午後10時までに30回発生。6月21日からの累計は2074回となった。
島外避難者は悪石島50人、小宝島15人。村は10日、震度4以上が5日間起きなければ希望者を帰島させる方針を示したが、15日を含めて連日震度4が起き、判断を延期していた。
村は方針について「あくまでも目安で、帰島時期を強制的に制限するものではない」としている。16日に帰島希望者の意向や人数を最終確認する。
福岡管区気象台によると、15日の地震30回の内訳は震度4が1回、震度2が8回、震度1が21回だった。震度4は午後1時20分ごろ発生。震源はトカラ列島近海で、震源の深さは約20キロ。地震の規模はマグニチュード5.1と推定される。
群発地震を受けて国土地理院は、悪石島と小宝島に衛星データを活用するGNSS観測装置を1基ずつ設置し、地殻変動の計測を12日から始めた。正確な位置情報を基に、2地点の水平距離や垂直方向への移動を計測する。震源地近くで詳しく地殻変動を調べる狙い。
午後1時20分ごろの地震による各地の震度は次の通り。
震度4 悪石島▽震度3 小宝島▽震度2 奄美市笠利▽震度1 十島村中之島、諏訪之瀬島、平島、喜界町、瀬戸内町、龍郷町