〈資料写真〉悪石島
トカラ列島近海の群発地震を受け、鹿児島県十島村の久保源一郎村長は21日、揺れが大きい悪石島と小宝島の全世帯を対象に、村独自で給付金を支給する検討を始めたと明らかにした。具体的な支給金額や時期は今後詰める。南日本新聞の取材に対し「生活支援策の意味合いが強い。可能な限り早く進めたい」と話した。
村によると現在、悪石島は43世帯89人、小宝島は36世帯66人。久保村長は「島民から経済的支援を求める声が多数上がっている。支援の必要性は高いと判断したが、給付金支給のノウハウがあるわけではなく手探り状態だ」と説明。できるだけ早い時期の支給を目指し、職員に検討作業を進めるよう21日指示した。原資には村の一般財源や災害支援寄付金を充てる見通し。
経済的支援を巡っては、県も来月をめどに義援金の配分を検討している。
福岡管区気象台によると、21日は午後10時までに震度1以上の有感地震が6回あり、内訳は震度3が1回、震度2が1回、震度1が4回。6月21日からの累計は2202回となった。
悪石島からの島外避難者のうち、新たに8人が21日夜に鹿児島港から帰島する見通し。村は震度4以上の地震が5日間起きなければ希望者を帰島させる方針を示している。17日から震度4以上はなく、21日まで発生しなければ、22日に帰島の日程を判断する。