えっほ、えっほ――密猟だめって伝えなきゃ。日本の天然記念物って伝えなきゃ。8月いっぱい放幼シーズン、見守ってね 大和村

2025/08/01 06:47
波打ち際に向かうオカヤドカリ=大和村の国直海岸
波打ち際に向かうオカヤドカリ=大和村の国直海岸
 鹿児島県大和村の国直海岸で、国指定天然記念物のオカヤドカリの雌が、ふ化したばかりの幼生を海に放っている。夜になると、打ち寄せた波に合わせて体を動かしたり、砂浜を歩き回ったりする姿が見られる。放幼は8月いっぱい続く見込み。

 オカヤドカリは奄美大島や徳之島、沖縄に生息。かごしま水族館の二階堂梨沙さん(37)によると、ゾエアと呼ばれる幼生は、海中を1カ月前後漂いながら成長し、5回目の脱皮でグラウコトエと呼ばれる段階に変態。その後、貝殻を背負って上陸し、もう1回脱皮して、稚ヤドカリになる。

 5月、オカヤドカリを奄美大島から許可なく持ち出そうとしたとして逮捕者が出た。奄美市の自然公園指導員の常田守さん(72)は「これを機に、捕獲は違法との周知や、アダン林などの環境保全が進めばいい。観察を通し、生物の多様性を守る大切さを感じて」と話した。

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