全国高校総体で初優勝した神村学園イレブン
2025年度全国高校総合体育大会(中国総体)は2日、福島県でサッカー男子決勝があった。鹿児島県代表の神村学園は大津(熊本)を2-2のPK戦(7-6)で下し初優勝を果たした。
サッカー男子で鹿児島県勢が優勝するのは初めて。神村は後半に先制点を許したが、追加タイムに同点に追いついた。延長も1点ずつを取り合ってPK戦に突入した。
◇
鹿児島サッカー界の歴史を動かした。男子の神村が90分を戦い抜き、県勢初の栄冠をつかみ取った。延長、PK戦サドンデスまでもつれ、8人目のキッカーが決めると、選手は抱き合い喜びをかみしめた。
後半0-1の追加タイム。残された時間はわずか。全員が「やれるだろ」と奮い立たせる。これまで2戦連続でリードを許す逆境をはね返してきた精神力は本物だった。
DF竹野が右サイドから駆け上がる。放ったクロスに触れたのは相手DF。が、ボールは相手の背後に流れた。「来た」。待ち構えていたFW日高がすかさず拾い蹴り込んだ。
計20分間の延長戦も互いに点を奪い合った。選手は「もう本当に気持ちだけ」と、力を振り絞ってひたすらボールを追った。90分間の試合で7人の選手を交代した。足を止める者は誰もいない。ベンチ総動員で死力を尽くした。
神村の日本一は、選手権も含めて同校史上初となる。有村監督は「県内で多くの支えがあったからこそ。いろいろな方の思いが形になった」と感慨深げに語った。
夏の王者に“神村”の名を刻んだイレブン。中野主将は「神村だけでなく、鹿児島の強さを全国の舞台で証明できた」と誇らしげだった。