生体肝移植の経験などを話す三遊亭あら馬さん=鹿児島市
鹿児島市出身の落語家、三遊亭あら馬さん(48)=本名・桐野亜希子、東京都在住=が、同市のホテルで講演した。先天性の難病を抱えながら39歳で落語界に飛び込んだ経験などを語り、「人はいつからでも、何にでも挑戦できる」と呼びかけた。
あら馬さんは生まれてすぐ、肝臓と十二指腸を結ぶ胆管がつながっていない先天性胆道閉鎖症と診断された。鹿児島大学卒業後上京、フリーアナウンサーや俳優などを経て2017年に落語の世界へ。しかし二つ目昇進が決まった21年2月に病状が悪化し、余命半年の宣告を受けた。同10月に弟から生体肝移植を受け、全国で高座や講演ができるまでに回復した。
「人生すべてがネタになり、人生を笑いに変えられる」と落語の魅力を紹介。「病気で不運と言われもしたが、移植の経験があるから講演や取材も受けられる。笑いは元気につながるので、つらいときこそ口角を上げて」と語った。
講演は7月25日、三井ホーム鹿児島(同市)が創業40周年記念で開いた。