姶良市出身のオルガニストの山口綾規さん
■かお・鹿児島県姶良市出身のオルガニスト、山口綾規さん
霧島市牧園のみやまコンセールに今年設置されたパイプオルガンで7月、コンサートを開いた。情感豊かな重厚な音色がホールを満たした。「新しいパイプオルガンが鹿児島にできるとは思ってもみなかった。面白い偶然で縁を感じる」と喜ぶ。
姶良市加治木出身。ピアノ教室の先生だった母の影響で、自由に音楽に触れる家庭で育った。「ピアノがおもちゃだった」と振り返る。小学生低学年でハモンドオルガン(小型の電子オルガン)に移り、身の回りで聴いた音楽を再現するのが好きで自然と音感が身に付いた。
パイプオルガンとの出合いは1992年、早稲田大在学中にサントリーホール(東京)で見たコンサート。5898本のパイプを持つ国内最大級のオルガンのスケールと音に衝撃を受けた。低音から高音まで多彩な音を奏でる独奏楽器はまさに“楽器の王様”。「いつか自分で弾きたい」と決心した。卒業後、音楽関係の仕事で約3年かけて学費をためて東京芸術大に入り、オルガニストの道を進んだ。
ジャンルはクラシックからジャズ、ポピュラーまで幅広い。みやまコンセールでは8月16日、3歳から入場できる子ども向けのコンサートを開く。生で聴いてこそ伝わる魅力があると信じる。「自分の演奏を聴いて、一人でも心に刺さる人がいればうれしい」と話す。
東京都在住。英語とスペイン語のほか、最近はアラビア語を学ぶ。旅行が趣味で「暇さえあれば海外に飛んでいる」。52歳。