「都城空襲犠牲者追悼碑」の側面に新たに刻まれた犠牲者13柱と刻字を提案した来住ケイ子さん=都城市小松原町
宮崎県都城市小松原町の神柱宮西側公園内にある「都城空襲犠牲者追悼碑」に、犠牲者13柱が新たに刻まれた。犠牲者名の追加は建立後初めて。碑の前で毎年8月5日に追悼会を開く「都城空襲と戦争を語り継ぐ会」(坂口フミ子代表)が、戦後80年の節目に「最後の機会」と決断した。同会は費用30万円の支援を、15日までクラウドファンディングで募る。
御影石製の追悼碑は旧都城市が北諸県郡4町と合併する前の1999年に建立された。刻まれたのは45年3月18日から同年8月9日まで20回を超える米軍の空襲で犠牲になった旧市関係の88柱。2006年の5市町合併に伴い、旧高城、山田両町の犠牲者13柱が判明したが、追悼会で名前を読み上げるのみだった。
「旧2町の犠牲者も碑に名前を刻みたい」と同会の事務局を務める来住ケイ子さん(74)が提案。今後、空襲被害を直接知る遺族、関係者が高齢化で少なくなる中で、戦後80年の今年が協力を得られる最後のチャンスと判断した。
7月30日までに13柱を碑側面に刻んだのに加え、かすれていた従来の刻字も鮮明にした。
追悼会は8月5日午前10時から。来住さんは「追悼会に間に合ってよかった。多くの人の支援をいただけるとありがたい」と話す。クラウドファンディングはサイト「READYFOR」で受け付けている。