噴煙5000メートルを上げた直後、ドローンで上空から撮影した新燃岳=3日午後2時ごろ(産業技術総合研究所ホームページより)
南海トラフ地震など、鹿児島県で起こり得る災害について、被害予測調査の想定や対策について検討する有識者会議が6日、県庁であった。調査は2014年以来12年ぶり。26年度までに最終報告をとりまとめ、地域防災計画に反映する。
今年3月、国が発表した南海トラフ地震の新たな被害想定では、鹿児島県の最大死者数は1400人、負傷者6000人。死者数は12年の想定1200人から増えた。被害予測調査では国の見直しや能登半島地震を踏まえ、大学教授ら委員11人の知見を基にシナリオを作り、防災減災につなげる。
県が想定する地震や津波は南海トラフのほか、鹿児島湾直下や桜島沖の海底噴火など13件。6日の会議では、トカラ列島近海の群発地震も加えるよう委員から提案があった。調査項目の設定では、国の見直しに沿った追加が目立ったため、地域特性にも基づくべきとの指摘があった。
座長の地頭薗隆鹿児島大学名誉教授(砂防学)は「トカラ列島の地震、新燃岳噴火、カムチャツカ地震による津波とあらゆるタイプの災害があった。11人の専門家が最新の知見に基づいて見直しを進めることが重要」と話した。