奄美市の繁華街「屋仁川通り」=5日
奄美市の民間会社「しまバス」は8日から、繁華街・屋仁川通りを出発して中心部の団地周辺を回る「やんご終電バス」の運行を始める。運転手不足でタクシーや代行運転がつかまりにくくなる中、住民らに帰宅方法を気にせず「飲みニケーション」を楽しんでもらい、街の活性化につなげたいと企画。最終便は午前1時半発で、金、土曜日限定。運賃は一律500円。
屋仁川通り近くの「入舟町」を出発。小宿トンネル前行きと、和光や仲勝、大熊地区などを通る循環ルートの2路線ある。いずれも午後9時半から1時間おきに出発し、最終便は小宿トンネル前行きが午前1時半、循環ルートが午前0時半。定員20人の小型を使う。
同社は市街地で唯一路線バスを運行、これまでの最終便は午後8時台だった。終電バス運行のために社員1人を新規採用した。タクシーや代行運転は運転手の高齢化などで減少して、つかまりくい状況が続く。飲食業者からも「飲んだお客さんが安心して帰れるよう深夜便を走らせて」との要望が届いていたという。
「やんご」は、屋仁川通りの地元での通称。勝村克彦社長代理(54)は「奄美の活性化には、やんごがにぎやかでなければ。帰る手段がないから飲みに出ないという負のスパイラルを断ち切りたかった」と運行の狙いを強調する。「終電バスの利用を通してバスに親しみをもってもらい、昼間の利用者増につなげたい」と話した。