親は共働き、家は暑い。やる気ナッシング…ちょっと待って!公民館においでよ――その名も「まなビバすくーる」。大学生や元教員が宿題支援 出水・高尾野

2025/08/11 11:34
元教員(左)から数学を教わる中学生=出水市高尾野町柴引
元教員(左)から数学を教わる中学生=出水市高尾野町柴引
 鹿児島県出水市の高尾野中学校コミュニティスクール(CS)が夏休みに合わせ、小中学生向けに公民館で実施する学習支援が好評だ。「サマーセッション高尾野まなビバすくーる」と銘打って元教員や同校出身の大学生、現職教員が指導。子どもたちは「自宅よりはかどる」と、宿題や受験勉強に励む。

 地域で子どもの学びを支えて街の魅力につなげ、子育て世帯の取り込みや地元公民館を使った地域活性化を図ろうと、2023年に始まった。1年目は10人余りだったが、2年目は約30人に増加。7月29〜31日に開いた今回は50人を超す児童生徒が申し込んだ。

 共働き世帯が増え、保護者が日中、自宅にいない家庭も多い。子どもが家で一日過ごすより、公民館で友だちと勉強する方が楽しいとの声も聞かれるという。きょうだいや友人を誘って参加者の輪は広がりを見せる。指導者が多く冷房が効き、集中して学べる環境も人気のようだ。

 初日は高尾野中、高尾野小、下水流小の41人と、指導する10人が柴引自治公民館に集合。参加者は分数や漢字、俳句、歴史、理科といった各課題を午前の2時間、みっちり取り組んだ。大人が助言したり上級生が下級生に教えたりする姿も見られた。

 高尾野小5年の本蔵杏さんは「昨年、勉強が進んだから今年も参加した。大学生に分かりやすく教えてもらった」と割り算に集中。中学の元数学教員の橋野博文さん(68)=同市麓町=は「教えるのは新鮮でうれしい。目的意識を持って率先して学んで」と期待した。

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