「思ったより騒音が長い」「鎮魂の月になぜ」宮崎・新田原基地へのF35B初配備 住民らは国へ不信感を募らせる

2025/08/07 23:14
新田原基地に向かう航空自衛隊のF35B=7日午後、宮崎県新富町
新田原基地に向かう航空自衛隊のF35B=7日午後、宮崎県新富町
 宮崎県新富町の新田原基地にF35Bステルス戦闘機が初めて配備された7日、騒音を体感した住民は「これまでとはレベルが違う」と憤った。広島、長崎への原爆投下や終戦の日を迎える鎮魂の月に高性能の戦闘機が降り立ち、「よりによってなぜ8月に配備するのか」と疑問の声も上がった。

 7日午後1時半過ぎ、基地前の展望広場に集まった住民や愛好家の目の前をF35Bが通り過ぎた。基地上空で停止、ホバリングしながら垂直着陸した。2機目は通常より遅い速度で着陸。いずれも耳をふさぎたくなるごう音で、従来のF15戦闘機より発生時間が長い。

 近くの男性(77)は「思ったより騒音が長く続く。住んでみてほしい。きっと耐えられない」と顔をしかめた。

 着陸に先立ち、町内であった市民団体の抗議集会には、鹿児島市喜入出身の男性(69)=西都市=の姿があった。

 宮崎県内で小学校教諭を勤め上げ、戦跡のガイドを長年担ってきた。「日本の加害行為や兵士・一般人の犠牲について自然と思いを巡らせる8月に、新型の戦闘機を配備するなんて国民感情に反している。止める政治家はいなかったのか」と嘆く。

 F35Bが事実上の空母である護衛艦に搭載される計画にも不信感を募らせる。「専守防衛が崩れる。武力でしか平和が守れないのだとしたら核保有に突き進むしかなくなる。他の道があるはずだ」

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