投光器を使い、捜索活動が続く家屋倒壊現場=9日夜、姶良市蒲生町白男
前線や低気圧に暖かく湿った空気が流れ込む影響で、鹿児島県本土は10日夕から11日にかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降る恐れがある。これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっており、気象台は警戒を呼びかけている。県央の記録的豪雨から一夜明けた9日、姶良市蒲生の家屋倒壊現場では行方不明になった女性の捜索が続いた。断水が続く同市と霧島市には給水所が設けられ、住民が復旧作業に追われた。
鹿児島地方気象台によると、6日午後8時の降り始めから9日午後10時までの雨量は、霧島市牧之原で575ミリ、同市溝辺563.5ミリ、薩摩川内市八重山416ミリ。
県によると、雨による被害は行方不明1人、軽傷が4人となった。姶良市北部の北山上自治会につながる県道が崩れ、約30世帯40人が孤立状態となっていることが9日新たに判明した。復旧の見通しは立っておらず、市職員らが水や食料を届けている。霧島市の2地区5世帯8人は依然孤立している。
姶良市蒲生町白男で8日、民家の裏山が崩れ家屋が倒壊した現場では、住人の30代女性が行方不明のまま。9日も県警や消防が60人態勢で捜索した。
県庁では同日午後、災害対策本部会議があり、霧島市と姶良市で少なくとも3万6000戸が断水していることが報告された。このうち霧島市隼人地区の1万9500戸の復旧は、11日以降を見込むとの説明があった。
九州電力によると、9日午後8時現在、霧島市の40戸で停電が続いている。
気象台によると、10日に予想される1時間雨量は多い所で、薩摩40ミリ、大隅30ミリ。11日午前0時までの24時間予想雨量は多い所で、薩摩100ミリ、大隅80ミリ。その後、12日午前0時までの24時間予想雨量は、薩摩150ミリ、大隅100ミリ。